こんにちは、佐藤です。
「創業ストーリーインタビュー」のコーナー第3回です!
よく考えたらイノベーター・ジャパンってどんな会社・どんな人たちの集まりだろう?そんな疑問から
始まったこの企画、話が尽きず盛りだくさんの内容になったので何回かに分けてお届けしています。
第3話は、「創業時のドタバタ話聞かせて!」です。
渡辺の強い課題感から、創業に至った動機、など真面目な話から一転。
創業時のドタバタ話をして語ってもらいました。
創業ストーリー 第3話「創業時のドタバタ話聞かせて!」
佐藤「次は、創業の時のエピソードをお聞かせください。最初はドタバタだったと思うのですがどのようなことがあったのでしょうか?ちなみに創業の時は何人ぐらいでしたか?」
渡辺「一人だったよ。あの時は細々とした案件もあったけど、思い出に残っているのはAdverTimes(アドタイ)(*1)。当時はウェブがなくて新聞だったんだけど、媒体力があると思ったし、ネーミングも良かったし、これはウェブで展開するべきですよ、と勝手に提案した覚えがあるよ。
当時一人だったから、企画から要件定義・サイトマップ・ワイヤーフレームも作ったし。とにかく一人だったから、システムも前職からお世話になっていた先輩社長のパートナーの方とデザイナーの方とタッグを組んでやった。2010年7月に会社をスタートさせているんだけど、2010年10月にはもうリリースしている。これが最初のリリースとして大きかったかな。」
佐藤「もうほんと創業してすぐですね。」
*1: AdverTimes(アドタイ)… 宣伝会議が運営する、広告界のニュース&情報プラットフォーム。
創業当初から積極的に"課題解決"の提案をしていた日々。
渡辺「あともう一個あったのが、ちょうどiPadが出た頃で、iPadを色んなビジネスに使っていこうといろんな会社が考えていて。営業の商談でiPadを使えるようにしたい、色んな会社のパンフレットがたくさんあるけど、持ち歩くのは大変なので、それをコンパクトにiPadに入れたいんだけど、内容が新しくなっていくから古いものは変えなきゃいけないっていう課題があったんだけど。
オンライン上のコンテンツがシンクロしていて、常に最新にしておく仕組みがあれば、これならお客さんも使えるし、自分達もそのソフトウェアを売れる、ということで、"AnyPad for Sales"(*2)っていう名前のソリューションを作ったんだ。
その納品の時に、自分たちでiPadを何十台と仕入れて、インストールした状態で納品していて。社員が3人ぐらいで、オフィスにiPadが山積みになっていて、えっちらおっちらとセットアップして、インストールしていたっていうのをやっていたかな。」
佐藤「3人ぐらいの頃ということは…?」
渡辺「自分、山田さん、柳下さんでやっていて、常田さん、笠原さんがいるかいないかぐらいかな。」
*2: AnyPad for Sales … iPad上で動作するマルチメディアカタログ閲覧アプリケーションと、カタログデータを一元管理および配信するクラウドサーバシステムの統合ソリューション。
みんながみんなで役割を担って、選り好みせず何でもやってきた。
佐藤「皆さんはどんな役割だったのですか?」
渡辺「エンジニアは山田さんだけで、柳下さんはインフラで、常田さんはウェブディレクターで、笠原さんはウェブデザイナーだったよ。」
佐藤「これでベースとなるタレントが揃ったかな、という感じですか?」
渡辺「そうそう、その通り。この時のシステムのパートナーさんが先進的な技術を使っていて、その当時からAWSを使っていたんだけど、うちの中ではそれを使える人がいなかったので自分がウェブインフラ担当という感じだったかな。あと、人も少ないので自分一人でお客さんのところへ行って、要件を詰めて、とやっていたかな。」
佐藤「ほんと創業期!って感じですね。」
渡辺「創業期って、みんながみんなで役割を担わないといけないので、自分もインフラでも営業でも何でもやってたし。バックオフィスの人は誰もいないから、請求書の発行からP/L管理まで全部自分でやっていて、何屋さんかわからなかったよ(笑)」
佐藤「それで学べることもたくさんありますよね(笑)そんな創業期でしたが、これがうちの事業だ!と地に足がついてきたかなと思ったきっかけはありましたか?」
渡辺「それってまだできてないかなって思うな。創業期からいろんなことを選り好みせずにやってきて、これが柱だ!っていうのが明確にないのが強みであり、弱みにもなっているかなって思うな。
例えば、案件によってはコンサートホールのVIデザインのみでITとは関係ないものもあるし。」
AWSの強制再起動でお客さんのウェブサイトが消えてしまった!?
佐藤「あとは、ドタバタなエピソードはあったりしましたか?」
渡辺「ドタバタね、いっぱいあるよ(笑)今だから笑えるけど、シリアスなことも色々あるよ。
確かこのオフィスに引っ越してきてすぐの、2014年頃だったと思うんだけど、今だに覚えているのは、AWSで運用しているお客さんのウェブサイトがあって。AWSってたまに強制再起動がかかるんだけど、当時はオンメモリのインスタンスがあって、電源を落とすとまっさらに消えちゃうの。ほんとはバックアップを取っているはずなんだけど、なぜかそのインスタンスだけバックアップが取られずにオンメモリのままで、お客さんのサイトが全部消えてしまって!
やばい!と思って、どうにか復旧できないか?とAWSに掛け合ったけど流石に難しいという話で、全社員でGoogleのキャッシュをかき集めて、なんとか静的なサイトで組み上げて、復旧させたんだけど。もうCMSじゃなくなってて、どうしよう…って途方にくれていた時があったね。。
でもその後に奇跡が起きて、死んだはずのインスタンスがたまたま生き返って、ことなきを得たこともあったかな。この時もなんとか乗り越えられたからいいけど、乗り越えられなかったらどうなっていたか、みたいなことはちらほらあるね。」
おわりに|次回に向けて
創業時のエピソードももっと恥ずかしい苦労話を期待していたのですが、今と同じ目線で変わらず走り続けてきたのだな、と納得のお話でした。
次回は、イノベーター・ジャパンが武器としている、テクノロジー・デザイン・マーケティングの3つの掛け合わせを意識し始めたきっかけ、オフィス移転について、変化を作ったキーマンなど、「IJを取り巻く変化のきっかけ」について、創業から現在までの”変化”にフォーカスしたいと思います。
合わせて、他の「創業ストーリー」も一緒に読むとよくわかります。
ぜひどうぞ。
第3話「創業時のドタバタ話聞かせて!」