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ウェルビーイングな経営を実現するための本、必読5選

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Innovator Japan Editors

前回までの記事で、企業のウェルビーイング施策導入事例やメリット、制度面だけではなくソフト面での意識改革の必要性についても紹介してきました。

前回までの記事

ウェルビーングを導入する会社事例3選【楽天、ユニリーバ、丸井】
ウェルビーイングな経営施策、ソフト面で必要なことは?

ウェルビーイングをテーマとした連載記事は、今回でいったん最終回。

最終回となる本記事では、当社の飯田COOがおすすめする、ウェルビーイングな経営を実現するための必読本5冊を紹介します。

ウェルビーイング経営の必読本5選

(1)多様性が組織の知性を高めるーー『多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織』(2021年)
多様性の化学

「ビジネスデザイン本」必読5選で紹介した『失敗の科学』の著者でもあり、英『タイムズ』紙の第一級コラムニストを務めたマシュー・サイド氏による一冊。

「なぜグッチは成功し、プラダは失敗したのか」「なぜGoogleはフラットな組織を実現できなかったのか」などの疑問を紐解きながら、致命的な失敗を未然に発見し、生産性を高める組織改革とはどういうものかを解き明かします。

多くの企業が近年直面している「多様性とどう向き合うか、組織の中でどう生かしていくのか」という問いを考えながら読み進めると、多様性が「経済をさらに大きく繁栄させるキー」となっていることに気づくことができます。

(2)幸せな社員は創造性が3倍高い?ーー『パーパス・マネジメント ―― 社員の幸せを大切にする経営』(2018年)
PURPOSE

著者は、ウェルビーイング向上プロジェクトやパーパスを再構築するプロジェクト等の多数の実績を持つ丹羽真理氏(Ideal Leaders株式会社 共同創業者/CHO(チーフハピネスオフィサー))。

序文で「社員が幸せだと、会社の業績は間違いなく上がる」と提示し、会社組織のパーパス(存在意義)とそこで働く個人のパーパスが一致していると社員はいきいきと幸せに働くことができ、会社の業績は間違いなく上がると言及。

本編ではその理由について、日本企業や自身の経験を事例に加え、海外の事例も交えて解説します。

メンバーのパフォーマンスを最大限に引き出し、組織の成長を促すために必要なものとは何か? 今、日本の企業には何が足りないのか。経営者、チームのリーダーや管理職など、マネジメントを担うポジションにいる人にとって、必読の一冊です。

(3)個人の幸福は周囲の人に伝染するーー『幸福の習慣ーー世界150カ国調査でわかった人生を価値あるものにする5つの要素』(2011年)
幸福の習慣

以前、ウェルビーイングって何だろう?【実現に必要な5要素を紹介!】の記事内でも取り上げたことのある本書は、日本語版の発刊からも10年以上が経った今でも各所で紹介されている名著です。

著者は、トム・ラス氏とジム・ハーター氏。両氏が所属するアメリカの調査会社・ギャラップ社は、国連の「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)」が毎年行っている「世界幸福度調査(World Happiness Report)」のランキングの元となるデータを提供する企業としても知られています。

本書は、ビジネスや健康など数々の調査の最前線でコンサルタント、サイエンティストとして活躍している両氏が、「幸せになるための5つの要素」について解説。

「仕事」「人間関係」「経済」「身体的」「地域社会」の5要素それぞれでうまくいくと幸福度が上がるという考えは、コロナ禍でひととのつながりは希薄になっている今、改めて頷ける部分が多いのかもしれません。

(4)人間の悩みはすべて対人関係の悩みーー『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』(2013年)
嫌われる勇気

2013年に日本で発刊されて以来、舞台化、テレビドラマ化されたこともあり、話題になった本として記憶している方も多いでしょう。心理学の巨匠と呼ばれるアルフレッド・アドラーの思想を用いて、「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という問いについて解き明かしていきます。

心理学に分類される自己啓発本ですが、青年と哲人の対話形式で展開していくということもあり、難しい知識がなくとも理解できるとして人気があります。

「トラウマは存在しない」「なぜ自分のことが嫌いなのか」「すべての悩みが対人関係の悩みである」「劣等感は主観的な思い込み」など、改めて提示されればハッと気付かされることも多く、自分が幸せに生きるにはどうしたらいいかを考えるきっかけを与えてくれてくれる一冊。

コロナ禍で直接的な人間関係が希薄になったり、SNSによって複雑化した現代。対人関係で悩んでいる人におすすめです。

(5)身の周りの人間関係はすべて自分が原因?ーー『自分の小さな「箱」から脱出する方法』(2006年)
自分の小さな箱から脱出する方法

アメリカ・ユタ州に拠点を置き、マネジメント研修やコンサルティング業務を行う研究所である、アービンジャー・インスティチュートによる著作。

本書では、「箱」という自分を正当化した場所を離れ、外に出て、「他人と関わり合うこと」が成功の秘訣であることなどを提示。ビジネス向けの内容でありながら、家族や友人関係にも適用できる本としても人気があります。

コミュニケーションに課題を抱えている人にも、おすすめの一冊。

続編は、よりビジネスに特化した『管理しない会社がうまくいくワケ〜自分の小さな「箱」から脱出する方法 ビジネス篇』として2017年に刊行されているので、興味のある方はそちらもご一読ください。

ウェルビーイングを体系的に学ぶ機会を持ってみませんか?

今回は、ウェルビーイングを考える上での参考として、組織マネジメントに関する本を2冊、自己啓発系の本を3冊、ご紹介しました。

ウェルビーングな経営や働き方を実現するために、まずは体系的にウェルビーイングを学んでみてはいかがでしょうか。