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WORK NEAR HOME / まちづくりと働くのこれからを考える

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安藤瑞基

IJのインターン生の安藤です!!
今回は建築学生らしくまちづくりの観点から働くやこれからの生活について、IJの代表である渡辺順也さんとのお話を元に考えてみようと思います。

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IJが「&donutsプロジェクト」の次の構想を考える上でキーワードとしている言葉「 WORK NEAR HOME 」、IJ代表の渡辺さんに次の構想についてお話を伺うなかで僕はこの言葉に働く以上の何かがあるように感じました。自身の建築学生としての経験や伝統工芸に携わる経験を元に、これからの「まちづくりと働く」これらについて考えてみます。




1.   地方の均質化、衰退


数年後にいくつかの街が消える
何十年後かには、いくつかの都市が消える

そんなお話を耳にする。

日本の人口が少なくなる
日本の古き良き産業が消えていく

そんなお話も耳にする。


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何かぬぐいきれない寂しさを覚えました。
日本の各土地にはまだまだ面白いもの豊かな考え方や思想がゴロゴロと転がっている。
・岐阜の美濃焼や滋賀の信楽焼など焼き物、伝統工芸品。
・秋田の「いいふりこき(えふりこき)」など思想の美学。
それなのに各地方では大型ショッピングモールが立ち、系列店が立ち並ぶ。過ごしやすさにばかり焦点を当てて、本当の心地よさについてどこまで考えられているのだろうか。疑問を抱きました。

2.  外部からのまちづくりの難しさ


まちづくりについて考える中で、自身の大学のゼミの活動の中で、名古屋市の円頓寺商店街の再生に携わった建築家の市原正人さんに復興についてのお話を伺ったこんな一節を思い出しました。

「みんなが俗にいう昔の建物ってなんか良いよね。という言葉。よくよく考えてみると今現在、みんなが思い入れのある、あの建物やあの場所が、何十年後何百年後にそのように言われるようになるのかもしれない。だからこそ土地の声、そこで生活をする人の声に耳を傾けないと。壊して新しくするだけじゃだめなんだよね。そこの営みに合わせて緩やかに成長していかないとね。」

これまでも、これからもまちを作るのはそこに住む人々なのだと感じる言葉です。
現状、各地方で地域活性がうたわれさまざまな活動が行われています。ただ、外からテコ入れをしようが、その土地の文化を作り上げるのはその場所に住む人々であり、なかなかうまくはいかないのが現状のような気がしています。



3. 地方の声をどうデザインするのか

それでは、地方の声をどううまく伝え、どうデザインしていくのか。IJではどのようなことを考えているのか渡辺代表に少しお話を伺うことができました。

会話の中でたびたび耳にする言葉「WORK NEAR HOME(WNH)」この言葉から考える家の近くにあるofficeで働くという概念。もしかしたら、この考えがまさしくこれからの生活をどうデザインしていくのか。その一つの答えのような気がしました。


渡辺代表:
「実は僕は千葉県柏市出身なんだけど、たまに地元で小学校の時とかの同級生と呑んだりしている。そうするとみんなそれぞれ違う道で仕事をしていて話を聞いているとお互いに色々なシナジーがあることに気が付いたんだよね。もしかしたらそういったことが各地方なんかでも起き得るのかもしれない。小学生のとき地元で共に学んでいた仲間が30年たって次は地元を共に盛り上げられる様な仲間になりえる。企みを考えている時ってなんかワクワクするよね。そういった人生におけるワクワクの総量を増やすことができる場所が作れたらなんて思っているんです。


お話を伺う中で、私は「働くことも人生を豊かにできる。自身の好奇心もやりたいことも挑戦することができる。ただ、それは一人ではない誰かと共に。まちを楽しく生活を豊かにさせるのは外の誰でもなく、そこに住む人々。必要なのはそんな人々が集まれる場所を作ることなのではないか。」そう考えました。


渡辺代表:
「大きくなくてもcafe規模で地域の溜まり場となる様な場所が作れたらとてもいいよね。幼少期に体験した裏山の秘密基地みたいにみんなでワクワクを作り出す様な場所。そんな場所ができたらいいな。


これからのまちづくりを考えることは決して大きな建物を立てなくても、下手に装飾を施すことでもなく、その土地が大好きな街の人々。できることといえばそんな人々が企みを自由に模索できるようなそんな場所を整える、そういったことなのかもしれません

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*消滅可能性都市に関する参考文献

「地域消滅時代」 を 見据えた今後の国土交通戦略のあり方について


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