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確実なテスト実施に一歩近づく! テストケース作成のポイント

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SN

こんにちは。&donutsでSEをしているSNです。

システム開発において、開発されたシステムが要件・仕様書通りに動作するかを確認するために欠かせないのがテスト工程です。テスト工程で必要なドキュメントは多くありますが、今回はそのなかでも、確実にテストを実施するために重要なドキュメント「テストケース」について、書き方やポイントをお話したいと思います。

こんなテストケースを見たことありませんか?

突然ですが、下記のようなテストケースを見たことはありませんか?44444vvvvvv一見、きちんと書かれているように見えますが「任意の商品ってどれを選べばいいの?」「何をもって購入できたと判断していいの?」と曖昧な点が多いことに気が付きます。

実際、テスターに解釈を委ねる書き方をしてしまうと、OK・NGの報告結果が変わったり、テスト内容の理解に時間がかかるなどといった問題が起きることがあります。

よいテストケースとは?

では、どのようなテストケースであれば、よいテストケースと言えるのでしょうか?

よいテストケースの定義は諸説ありますが、最低限

  1. テスト項目に過不足がない
  2. 誰が実施しても同じ結果になる
  3. 記録として残り、再現できる

の3点は満たしている必要があると考えます。2222222vvvvv

1つ目の「テスト項目に過不足がない」は、テストケースの作成より前段の『テスト計画・設計』で検討する内容になるため、ここでの説明は割愛しますが、そもそものテスト内容に漏れなどがないように計画する必要があります

2つ目の「誰が実施しても同じ結果になる」とは、前述したテスターによってOK・NGの結果が変わることがないようにテスターに解釈を委ねない書き方をする必要があることを指します。

3つ目の「記録として残り、再現できる」とは、テスト実施時に、誰がどんな条件でなんの操作をしたのか確認できる記載内容にしておくということです。稀に、テスト実施から数ヶ月〜数年経過してから不具合を見つけ、第三者からテスト実施時の状態を確認されるということがあります。そのため、後からでも確認ができる内容にしておくことが望ましいです。

では、これらを満たしたテストケースにはどのような項目が必要で、記載内容はどうしたらよいか具体的に見ていきたいと思います。下記がテストケースに必要な項目です。111111vvvv

続いて、テストケース例1と同じ試験を想定し、「テストケースに必要な項目」を満たした形でテストケース例2を記載してみました。33333vvvvvいかがでしょうか?

テストケース例1と比較すると、操作内容や期待値が明確でテスターが解釈を挟むことなく実施できる内容になっていると思います。

また、この粒度でテスト手順や期待値に詳細を書けない場合には、要件定義や設計で考慮が漏れているということも考えられ、そのことに気が付くことができるというメリットもあります。

ちなみに、この中でとても重要な項目が「テスト観点」「確認内容」です。このテスト項目で何を確認したいのかを明確にすることで、テスターが結果の判断に悩んだ時の指針となります。また、テストケースに過不足がないかレビューを実施する際にも有効です。

「現行通り」ってどんな状態?

さて、テストケース例1では、極端にあいまいな記載を例として示したので、もっとちゃんと記載しています!と思った方も、なかにはいらっしゃるかもしれません。

では、「処理が正しいこと」「現行通りであること」といった言葉はどうでしょうか?

これらの表現はとても使いやすいため乱用されがちですが、「正しい処理」や「現行」と言った言葉も人によって解釈が異なる場合があるため、使わないことが好ましいです。使用する際には、それらが指す内容をきちんと『エビデンス』や『仕様書』などで明確にした上で使うことを意識してみてください。

まとめ

この記事では、「確実なテスト実施に一歩近づく!テストケース作成のポイント」と題して、テストケース作成時の記載方法のポイントをお伝えしました。テストケースの書き方次第で、テストの精度が変わってきます。

お伝えしたポイントを参考に、今まで使ってきたテストケースを見直し、より確実にテストが実施できるように改善していきましょう!

※本記事は、当社で毎週金曜日に実施している社内LT「Knowledge Salad.」より抜粋して掲載しています

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