■はじめに
今回は、前回の記事「早川書房が電子書籍半額セールしていたので1500冊から7冊買ってみた」で購入した「リモートワークの達人」の感想です。
著者:ジェイソン フリード (著), デイヴィッド ハイネマイヤー ハンソン (著), 高橋 璃子 (翻訳)
ベースキャンプの創業者であるジェイソン・フリードとデイヴィッド・ ハイネマイヤー・ ハンソンが書いた本。彼らは創業時からリモートワークを推奨しており、今までの経験やノウハウをまとめた本となります。
コロナ禍の中でリモートワークが推奨され始めましたが、個人的には試行錯誤の一年でした。
ある程度、試行錯誤した中で自分のスタイルを確立できたのですが、この本に出会って、もう少し出会いがはやければリモートワークに関する試行錯誤がショートカットできたのにーー!と思った本。
特に、リモートワークの経験があまり無い方におすすめできる本です。
読んだあとは、上記イメージのような「リモートワークの達人」になれるハズ(嘘)
■面白いと感じた部分 3つ
1)リモートワークで起きる課題は日本、アメリカでも共通している
米ヤフーのマリッサ・メイヤー最高経営責任者(CEO)が出した在宅勤務原則禁止ニュースがあったように、アメリカでもリモートワーク肯定派と否定派があるみたいですね。
本の前段は、リモートワークで起きうる不安や課題についての話が中心。個人的にはアメリカでも同じような不安を抱えているという点に共感しました。
日本特有の問題かと思っていたけれど、アメリカでも、従業員がパソコン前に座っているかを監視するツールも製品としてあるそう。あと、ミーティングが多いとかも共通した課題のようです。
課題は日本だけじゃないんだ、というところに、共感をもちました。
2)リモートワーカーは人柄が大事
「リモートワークは実際に会うことが少ないから、仕事ができればいい。そして、社会性は二の次でOK。」という考えは大間違い。
リモートワークは、オフラインよりもオンラインのほうが、ちょっとした一言で社内の関係性が壊れやすい。オフィスで働く以上に注意する必要があります。
これは、リモートワークの場合、文字によるコミュニケーションが中心になるためで、顔が見えない分、感情のひだが伝わらないことで起こります。そのために、コミュニケーションがちょっとしたことで悪い方向に流れやすくなる、ということです。
小さなことが大きな問題に発展しやすいので、著者としても、「悪い気持ちの伝染」については注意深く観察して、未然に対処しているようです。
また、人材採用時も「なるべく前向きな人」「チームの雰囲気を察しチームを盛り上げる人」を積極的に採用して、このような問題に向き合っているんだとか。
この部分はあまり意識していなかったので、参考になりました。
3)孤独を甘く見ない
著者のいい回しを借りると、「孤独は人を狂わせる」。リモートワークは孤独になりやすく、特に家族や友人がいない場合は危険です。環境を工夫してコーワキングオフィスの利用や、地元のイベントなどの参加をしてみるとよいそうです。著者の会社でも「バーチャルな雑談の場」としてチャットツールを活用しているようです。
弊社でも、リモート環境においても雑談を推奨したり、ときにリアルな場での取り組みを含めた仕組みを作り、試行錯誤している過程です。例えば弊社では、テニス部や自転車部などオフラインでのイベントも積極的に行っています。
■最後に
最後の横石崇さんの解説で知ったのですが、原著[REMOTE OFFICE NOT REQUIRED]の出版年は2013年。あらためて、著者の先見性の高さに驚きます。
多少の不満点としては、「顧客との付き合い方」や「社内コミュニケーション」の問題など、そう簡単には解決しないだろうと思った、という部分もありますが、それ以上に色々と参考になった点が多かったです。
ちなみに、前回の記事も触れましたが、イノベーター・ジャパンは多様な働き方を尊重している会社です。リモートワークもその一環で、様々な地域(東京、福岡、グアム、オーストラリア)から社員が参画しています。(※テンプレです)
2021年7月現在、週1から2回の出社と組み合わせてリモートワークを推奨しています。
採用にご興味がありましたら、こちらをご覧ください。
■関連リンク
・ジェイソン フリード (twitter)
・デイヴィッド ハイネマイヤー ハンソン (twitter)