社会人・保護者・妻・娘など、さまざまな顔を「がんばらないと!」「私が我慢すれば…」と義務感からこなそうとしていた10年前の私は、疲労でボロ雑巾のようでした。そんな私を救ってくれたのは、娘のある言葉。それにより、私の潜在意識と無意識はひっくり返りました!
「表と裏」をテーマにお届けしているイノベーター・ジャパンのアドベントカレンダー5日目は、&donutsプロジェクトメンバーのchikaが担当します。
ドタバタながらも仕事と育児を両立
育児休暇から復帰して約1年半ほど経っていた当時、片道約90分をかけて自宅のある千葉県から都内まで通勤していました。短時間勤務や育児のための残業免除など使える制度を駆使しながら、仕事と育児を両立させようと必死でした。
娘は保育園で友だちと遊ぶことを楽しんでくれていたため、迎えに行くと「もう来ちゃったの!?」なんて不満顔を見せることも。保育園との信頼関係ができてからは安心して預けられるようになり、繁忙期には自らの意思で残業することもありました。就業時間中は業務に集中できるので、保育園の先生たちには感謝の気持ちでいっぱいでした。
通勤時間は読書やスマホチェックなど自分の時間として活用したり、睡眠時間をとって体力を回復させるなど、(混雑した車内を除いては)ちょっとしたリフレッシュタイムになっていました。
保育園に迎えに行き、窓越しに娘が友だちや先生と笑顔で過ごしている様子を見ると、自然と仕事モードから母親モードに切り替わりました。豪華でなくても家族の健康を考えながら夕飯をつくり、入浴をすませるまでの間、娘の「聞いて、聞いて」にも対応。絵本の読み聞かせをしながら寝かしつけ、保育園から持ち帰った服を見て「ドロがついているから外遊びしたのかな」なんて想像しながら翌日の準備、寝相が悪くて飛び出した娘の顔を眺めながら布団を直して…など、完璧ではないけれど、自分なりに全力で母親や妻としてがんばっていたと思います。
大切なことに気付かせてもらった日
日付までは覚えていませんが、娘が3歳の誕生日を迎えるちょっと前だったと記憶しています。ある日、和室で娘と遊んでいた時でした。
「ねー、お母さんはワタシに色々と言うよね。どうでもいいことは聞いてあげるけど、ワタシ、本当にしたいことはなんて言われてもやるから!」
遊びの手を止めずに淡々と話す娘の姿は、今でもはっきりと覚えています。
一方、母である私はしばらく思考停止。その後、やるせない気持ちが次々と湧き出てきて、しばらく動けませんでした。
家族のためにがんばっているのに…。
お荷物になるのが怖くて、時短勤務でも成果を出せるようにやり方を工夫して精一杯がんばっているのに…。
「〜ねば」「〜べき」と自分でつくったルールでがんじがらめだったから、こんな気持ちになってしまったんだと思います。あのまま判断基準を自分の外に置いて走り続けていたら、「ワタシ」という自我はどんどん小さくなっていったでしょう。家事は得意ではないし、器用なタイプでもないのに、良い人でありたいと役割をこなすことにがんばり過ぎていたようです。
私は人生の脇役に甘んじていたな〜。
少し時間はかかりましたが、娘の自己主張する姿が引き金となり、私は自分を取り戻していきました。「私が人生を楽しんでいれば、家族の未来は明るくなる。みんなでもっと楽しみたい」と思うと、モヤモヤした心が晴れたようでした。
「みんなで勝つ」選択を
それからの日々、日常のやることが大きく変わったわけではありません。でも、私の中で芽生えた「自分の人生を生きよう」という決意により、同じことをしていても体験が変容したように感じます。
何か自分の思い通りにいかないことがあっても、不満を抱えながらその場に留まることも少なくなりました。もっと良い方法を探る時に、「どうしたら喜んでもらえる?」だけでなく、自分も数に入れて「みんながもっとハッピーになれるよう可能性を広げよう」と自問自答することが習慣化していきました。
「仕事を続けるのは私の意思だから保育園関連は私のタスク」と思ってきましたが、夫にお願いして保育園お迎えDAYをつくってもらいました。夫と娘からもらった時間で、私は友人と食事をしたり、自分のための買い物を楽しんだり、読書をしたり、映画を観たり…と、週末以外にも自分の時間を持てたことでゆとりができました。自分に優しくなれたことで、周りの人たちにも寛大になれたと思います。
感謝を込めて…
そうして仕事を続けながら、まもなく娘の小学校入学が視野に入って来た時に、通勤時間を違うことに使ったり、有事の際に歩いて学校へ迎えに行ける場所で働きたいと思うようになりました。当時の会社は自宅近くにオフィスがなく、リモートワークが難しい状況だったため、転職を決意しました。
転職して通勤30分程の市内の職場で働き始めてからも、「もっと柔軟に働きたい」「同じような気持ちの仲間と助け合えたら長く働き続けられそう」と考えるようになり、ややあって弊社の代表・渡辺との出会いが訪れます。そして、&donutsプロジェクトの誕生へとつながっていくわけですが…、この続きはこちらの記事に委ねます。
今でも役割意識に浸り込んでしまったり、自分がどうしたいのか分からずに悩むことは多々あります。でも、あの日の娘の発言がトリガーとなり、私の意識の「表」と「裏」はひっくり返ってしまった。そう感じます。
どちらも私。でも、今の方が生きやすい。人生に何が起きても主役の私が決めればいい、私には物事を変容する力があると思えるから。
子育ては親育て。見失っていた自分の人生に引き戻してもらいました。ありがとう♡
人と人の関わりには、良い時もあれば悪い時もある。でも、必ずそこにギフト(幸せな気持ち、気付き・成長の機会など)があると思います。だから、いまこの時を、周りにいてくれてる人たちを大事にしたい、と思います。みなさんも大切な人たちと、楽しいクリスマスをお過ごしください☆
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
明日の「イノベーター・ジャパンのアドベントカレンダー2021」の担当は、 Hironobu Yamadaさんです。