こんにちは、コミュニケーションマネージャーの高尾です。
今回は「MediaDXロゴ誕生の裏側に迫る!〜神は細部に宿る〜」と題し、MediaDXの新たなロゴに焦点を当てて、お話を伺いました。
Before
After
このように、大きくデザインのテイストを変更しています。どのように変化したのか、またその根底にある思想などについて、クリエイティブディレクターのしげさんにお話を伺いました!
自己紹介
ーまずは自己紹介をお願いします。
平山です。社内ではしげさんと呼ばれています。クリエイティブディレクターとして働いていて、ブランディング・デザインに関わってきました。
これまでもIJのロゴのリデザインや、ロゴだけではなく、もともとあったミッションステイトメントなどをより象徴的なものにして、ロゴとのつながりやブランディングに寄与するようなものにしてきたり、会社のトンマナなどを作ってきました。これまでグラフィックデザインをずっとしてきたこともあり、弊社プロジェクト「&donuts」のほか、弊社サービスのロゴの作成などに関わっています。
ーこれまでのご経歴をお伺いしても良いでしょうか?
キャリアとしては、もともとは広告業界でグラフィックデザインをしていました。広告のグラフィック、新聞広告や交通広告、雑誌や冊子、ノベルティやパッケージなど何でもやってましたね。印刷物だけではなく、次第にデジタル案件にもかかわりつつ、またファッションイベントのクリエイティブを担当したり、いろんなブランド立ち上げに関わったり。アパレルのインハウスでブランディングにも関わってきました。
その中でAD(アートディレクター)やCD(クリエイティブディレクター)の動きをするようになり、その後、フリーで一般のお客様のブランドに関する相談にも乗っていました。
ーブランディングに関わるきっかけは何だったのでしょうか?
若手の頃はクライアントがいて、代理店がいて…という感じで広告物を受託制作するのが主でしたが、立場や役割の変化とともに、単に広告だけを作るのではなく、ブランド全体の世界観を作るためにコンセプトを考える必要が出てきました。
そういうなかで「ブランディングデザイン」という概念や構造に自然と気づきました。
ーそんななかで、IJ入社のきっかけはどのようなものでしたか?
マスメディアン経由で知り、せっかくいい会社・伸びる会社なのだから、よく見せたいというのもありました。IJが、ブランディングデザインが必要なフェーズに見えた、というのもあります。クリエイティブディレクターは「実はこれが価値」というのを定義したり見つけたりするのが仕事です。
※マスメディアン=宣伝会議グループによるマーケティング・クリエイティブの求人情報・転職支援サービス
IJはまさに、ダイヤの原石に見えたんです。
(取材はオンラインにて実施しました)
MediaDXロゴリニューアルの経緯
ーロゴリニューアルのきっかけは何だったのでしょうか?
実務的なところで言うと、今年(2021年)の4月くらいから話が進みました。MediaDXは順調にお客様も増え、波に乗っているし、商標登録を目指しているということになり、検討が始まりました。
これまでロゴなども含めてミニマムローンチしてきており、きちんと時間を作ってロゴを作り込んではいなかった、という経緯もあります。
あと、実際の目に見える商品があると世界観を捉えやすいのですが、MediaDXのようなソリューションサービスは、形も見えないし捉えづらかったりする。だからこそ、ブランドの価値を何らかの形でシンボルとして可視化すべきと思っていたので、リニューアルに踏み切ることになりました。
ロゴ誕生のプロセス・変遷
ーどういうプロセスでロゴリニューアルを行いましたか?
前提として、MediaDXはこれから伸びていくサービスなので、商標登録に向けたものを作りました。大まかに分けると「ヒアリング→作成→フィードバック→完成」という流れでしたね。
①想いを具現化するためのヒアリング
代表である渡辺さんの想いや考えを吸い上げながら、具現化していきます。
とはいえ、ヒアリングにあたって、さてこうしましょう、というのはすぐには出てきません。こちらでドラフトを作成し、それも見てもらった上で進めていきました。
当初、MediaDXはデジタルソリューションなので、割とデジタルなテイストのものを作ったほうが良いかなと思っていました。
しかし、最初のヒアリングで渡辺さんの想いを聞いていくと、MediaDXというのは単なるデジタルソリューションではないことが分かりました。
このサービスは巷でよく言われているような、割と手垢のついているDXではありません。
デジタルトランスフォーメーションと言われてはいるものの、単純にお客さんや自社のメディアをデジタル化して納品する、ということではなく、ビジネスモデルの変容・ユーザターゲットの拡張・ユーザとの出会い・生活者とのコミュニケーション方法や情報提供方法の変化そのものを捉えていることが分かりました。
それと同時に、MediaDXというサービス自体が「ビジネスモデル、収益モデルの転換を意味し、納品したら終わりではなく、ビジネスモデルやコミュニケーションのあり方に対する試行錯誤や伴走が価値である」、ということも理解できました。それこそ、IJの目指す方向性そのものだったのです。
そこで、当初想定していた「デジタルソリューション」としての意味合いではなく、むしろ「コミュニケーションの本質」といった、アナログな原点に立ち返るべきではないかという話になりました。相手にするお客さんは、必ずしも現在デジタル化しているわけではありません。そういったこともあり、使ってくださる方に出来るだけ寄り添える表現でありたい、ということになりました。
②様々なパターンの作成
ロゴを作るときには通常、ゼロの状態からヒアリングをして、流れ込んでくるキーワード、色々なワーディングを考えるようにしています。
今回でいうと
- アナログ
- メディア
- 情報を取り扱うものであること
- IJ(イノベーター・ジャパン、日本からイノベーションを起こすという意味を含む)なので日本文化由来のもの
- 色に関しても、当社で既に扱っている他のサービス(緑を使うことが多かった)と差別化された色であること
などの要件がありました。
また、アナログなツールに載せるのであれば、例えば活版印刷っぽい表現もできないか、などの話もあったり、要望や方向性を踏まえて具現化していきました。
(様々なパターンを作っていきます。(社長の好きな某バンドのロゴ風なものもありますね…!))
まずはモチーフを考えないとロゴ化できないので、どんなモチーフで作っていくのかを考えていきます。
そこから浮かんだイメージ(情報を取り扱うようなアナログレコードっぽい表現とか、IJだから枯山水や水引など禅の世界観)を、1個のビジュアルに集約できないかなと考えました。
最終的には、線を使ったイメージのロゴを原型として作り始めました。
③フィードバックで更にブラッシュアップ
ーブラッシュアップはどのようにしていったのですか?
「デジタルすぎないアナログっぽさ」という話もあったので、そういうアナログぽいものを取り入れたり、画面では共有できない面の質感を共有したり、色の微差を与えたり、線の細さ・幅とか、ちょっとした違いでいろいろなパターンを作りました。
もちろんそこに含まれる意味も大事だけれど、直観的な印象も大事にしたいと思って作っていました。これらの思索を通じ、印象・形・などを含めて総合的にディスカッションしていきました。
集中して作って提示するまでは1人で行いましたが、フィードバック・ブラッシュアップに際しては、渡辺さんとキャッチボールしながら2人で決めていきました。
④そして完成へ
ーこだわったところはどのようなところですか?
特にこだわったのは、とにかくコンセプト部分の「意味を意匠に乗せる」ということです。つまり、「コンセプトを形にする」ということを大事にしています。
ただ、意味だけにこだわると説明的な意匠になり、見た目の美しさが損ねられてしまいがちなので、その双方のバランスを考えました。
今回の場合、「情報を取り扱うサービス」ということを伝えようと説明的な図で表現するのではなく、情報の記録性やそのコミュニケーション性、また和を想起させるような印象、という直観的なイメージを、よりシンボリックに象徴的に感じられるよう創っていきました。
それから、色の付け方にもこだわっています。「時代とともに情報提供の方法や収益モデルなども移りゆくこと、変えていくことがトランスフォーメーションの真髄である」という意味を付与するため、より右に色が移り変わっていくよう「X」の末尾に色を付けて表現しています。
産みの苦しみは?
ー大変だったところはどのようなところですか?
わかりやすく「ここは大変だった」というものはないのですが、ちょっとした無数の細かい微差を詰めていくことですね。
デザインは手を動かしながら無数の無限の選択肢と格闘していくので、いろんなことを複合的に考えながら、自分のなかで絶えず対話や相談をしながら、無数の意思決定をしていくようなイメージでした。
大変な作業ではありますが、そこを突き詰めていくことで、長く使ってもそう簡単には崩れない、廃れない、というものを目指しました。
わかりやすく例えれば、耳馴染みの良いメロディはすぐに広がってもすぐに飽きられてしまうけれど、「一見馴染みはなくても使えば使うほど愛着が出てくるようなもの」を目指しています。
今後MediaDXにどんな願いを持っているのか
ーMediaDXに対して込められている願いはどのようなものがありますか?
社内的には、特に冒頭にも言った「単なるデジタルへの乗せ換えではない」ということに立ち戻れる象徴や旗印になってほしいと思っています。
このロゴの意味はこうだ、というのはいつも日常的に話すことではないけど、何かで迷ったときにきちんとロゴが示している意味に立ち返ることができる、北極星のような存在になれることを願っています。道標や基準値のようなものです。
対外的には、色々なところに露出し、デジタル上でもオフライン上でも、記憶に刷り込めるようなものにしています。1回、2回、と見てもらう中で、記憶に留まるようなものになってほしいという願いを込めています。
だからこそ、普段あえて説明することはなくても、何かあったときにその意味を伝えられる道標になってほしいですね。
(現在、このロゴは弊社広告など様々な場所で使われ始めています)
ーこのロゴをどう使ってほしいのでしょうか?
メディアというと、既にデジタル化されている媒体自体の姿をイメージすることも多いと思います。ですが本来的にはそれは、お客様の持っている資産としての情報や知見などをたくさん含んだものです。
そういった情報は決して無機質なものではないはずだからこそ、上記のようなものを含めて、デジタルではなく、血の通ったアナログなやりとりをイメージしてほしいなと思っています。ロゴを通じてそういったことを想起してもらえるような扱いがされていけばいいなと思っています。
(利用ルールを詳細に明確化することで、ブランドの世界観を壊さないようにしています)
ーまさに「神は細部に宿る」といった、緻密な作業の繰り返しの上に成り立つことが分かりました。大仕事、本当にお疲れさまでした。そして素敵なお話、ありがとうございました!
共にMediaDXを創っていくメンバーWanted!
このように、様々な人の想いを詰め込んだ「出版・メディア業のDX(メディア化)サービス」であるMediaDXは絶賛拡大中。ロゴのリニューアルも行い、更なる拡大を図っていきます。
その際、以下のような職種にご興味があり、メディア化を通じたビジネスモデル変革に取り組みたい方と、是非一緒に働きたいと思っております。
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