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対バン形式ライブの転換時に帰る客を、どうやって引き留めるか?

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ぺろ

こんばんはperoです。

ウェブディレクターやってます。

この記事は当社のイノベーター・ジャパン Advent Calendar 2016の21日目の記事です。Advent Calendarってのが何だか分からん人に一言で説明すると「順番にブログ記事を書いていく企画」、つまりSNSで言うバトン。バトンが分からん人は…うーん、アレだ、チェーンメールみたいなモンだよ(暴言)。

ウェブディレクターらしく元々はhttpsに切り替えた時に遭遇する(遭遇した)トラブルなんぞまとめようとしてたんだけど、こないだ友人が企画したイベントで無茶やらかしてきたったので、その事書きますね。

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「知り合いのバンドを見たら帰っちゃう」

自分が何をやらかしたったかと言うと、対バン形式の(アマチュアの)ライブイベントで司会を買って出たのです。司会の経験なんぞなかったのですが。

対バン形式のライブと言っても、よくある闇深いブッキングライブなどではなく、いわゆる「持ち込み企画」のイベントです。

主催しているのは自分の友人で、「人生つまんねぇと思ってるヤツに、参加することで打ち込めるものを見つける・作る・思い出してもらえる」イベントだそう。今のところ音楽活動が主体だけれど、べつにイベント内で料理したり大道芸したり漫才をやってもいいそうな。個人的にはコンセプトはとても良いと思い、色々と協力してます。

先日のイベントで9回目で、これまで出演者側に対しては高い満足度を維持するイベントになっています。それまで「お客さん」だった人が音楽活動を始め、新しい仲間と一緒に練習を楽しみ、初ステージで気持ちよく演奏し、気づけば余暇の使い方が全く変わっている――という前例ができてきてます。

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しかし問題はお客さん側。結局のところ集客は各バンドがやってるし、初心者大歓迎で出演者決めてくもんだから、出るバンドごとにジャンルはバラバラ。むしろライブ出演初心者は自分の演奏に自信なくて集客自体を遠慮しちゃうため、よく語られる「お客さん全員が、呼ばれた知り合いのバンド以外興味を持たず、義理を果たすと帰っちゃう感じ」が否めない状態になっているのでした。

そういうお客さんにとっては、ワンドリンク制しゃーねぇなクソとか思いつつ、特に飲みたくもないアルコールちびちび飲みながら壁にもたれ掛かって、好きでもないジャンルのアマチュアバンドの音楽聞いて帰るだけのイベントになるわけです。当然次のイベントも誘いにくくなります。

ウェブサイトで言えば回遊率とリピーター率が低い状態、とも言えるでしょう。

つまり(とりあえずコンテンツ自体の問題は置いといて)、知り合いのライブだけ見て帰ろうとするお客さんに、他のバンドも見てもらうため、トークで引き留めることはどれだけ効果があるだろうか?!…という可能性調査が、自分が司会をやった目的でした。

ちなみに「対バン形式」とは、ひとつのライブイベントで複数のバンドが演奏する形式。ワンマンライブの逆。タイトルにある「転換」とは、これらのバンドが入れ替わるために楽器・音響設備などを再セッティングする空き時間のこと。「ブッキングライブ」「持ち込み企画」についてはこの辺とか読んでみると理解が深まると思います。

転換時のトークで客を維持する効果は「ありそう」

さて、ライブに司会なんて無い方がいい、転換は粛々と待つモンだとか、ライブステージングに一家言ありそうな諸兄からは反対意見も出そうな事をやらかしたったワケですが、勝手に振り返りたいと思います。

今回バンドが切り替わる「転換」中に、自分が実施してみようと思っていたことは下記の通り。

  • 前説
    持ち込み企画なんだし、アウェイ感を無くして、声出す事に慣れてもらおう。
  • (アクトが終わった後の)出演者へのインタビュー
    ステージ上の現出演者も、最近まで「お客さん側だった」、ってことをお客さんに知ってもらうために。
  • 次のバンドの紹介
    なぜ客は帰るのか? ハハハ、そりゃおめぇ、次のコンテンツが分からない(知らない)からじゃないか?

で、結果は下記の通り。

良かったこと(Keep)

  • 転換中にアナウンスが入ることで、帰ろうとするお客さんのアテンションは引けた
  • これまではイベントの最初と最後でちょろっと説明するだけだった、イベントのコンセプトについてちょいちょい説明できた
  • 次回イベントの告知ができた
  • 効果測定の方法が見えた

悪かったこと(Problem)

  • 転換中ずっと(10~15分)トークし続けるのはきつい
  • 「次の出演者」の情報共有ができておらず、十分な紹介ができなかった
  • インタビューされる出演者側の心の準備が足りていなかった
  • 演奏前の出演者に絡むのは難しい

次回改善案(Try)

  • 効果測定をしよう
  • 途中で帰ってしまうお客さんの計測
  • 司会の話に耳を傾けてくれている人の割合
  • イベントへの理解度
  • もっとお客さんを巻き込む。感想・意見を拾う

マジメに書こうと思ったけどそんな出なかったわ。雑ですんません。

何にせよ、各バンドが「ありがっざぁーしたぁーっ!」と挨拶して終わり、そのまま転換に入ると「終わった」感がハンパないです。

しかし、ソレに続けて「〇〇の皆さんありがとーう!いやー3つ目のバンドだけど、結構盛り上がりましたね!」とかテキトーにMC入れとくとそうでもなくなります。帰りかけて出口に向かいかけてたヤツも、ステージに向けてくるっと振り向いてくれる効果は確実にありました。

次回また自分が司会をするかどうかは分からないけれど、要は次のバンドがあること、どんなバンドなのか期待感を持たせることが必要なんでしょうね。

「司会」ならではの伝え方、アリかもしれない

イベントのコンセプト上、アーティスト自体の集客力・コンテンツ力は元からあまり期待できません(上手くなくてもいいじゃん、というスタイルゆえ)。

今後、音楽以外の付加価値が加わったとしても、「打ち込めるものを見つける・作る・思い出してもらえるイベント」という、くっさいコンセプト(※褒めてます)をうまく伝えなければ、真の顧客満足・目的達成には繋がらないでしょう。それを考えると、イベント中のトークに散りばめて伝えるのは悪くないかもしれない。

それはあたかも、切り口が特殊なウェブメディアにおいて、一見違うテーマのコンテンツの潜在ニーズにどう気付かせ・レコメンドしていくか、という、普段から自分たちがやっている業務のようです…!

うーんオフにやってることなのに、もはや職業病か。次回は3月25日らしいですけど、彼らウェブサイトもないので誘導も告知もできねぇよ。どうにかせねば。

しゃーないのでウチのディレクター採用にでも誘導しておこう。イノベーター・ジャパンは、こんな職業病を患っているストイックなディレクターも受け入れてくれる懐の広ぉい会社です。ぜひ一緒に患ってみませんか?w

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