日本の皆さんこんにちは。Christerです。
今回は、イノベーションを起こすために企業が持つべき事業戦略をお伝えします。
「ガッザの操縦」が必要な時もある
1997年、サッカー英国代表は、イタリアとの試合に向けて飛行機で移動していました。その飛行機には、スター選手だったポール・インスと、トラブルメーカーとして有名だったガッザ(本名:ポール・ガスコイン)がいました。フライトの途中で、パイロットに挨拶をしないかとガスコインが操縦室に招待されます。彼がコックピットで操縦士と会話をしている際、急な機体の揺れが起こりました。高いところが苦手なことで有名なインスは「ガッザが悪戯でもしてるのか!」とふるえながら叫びました。
企業は、現在使っているビジネスモデルの活用と同時に、新しいビジネスアイディアやモデルを生み出し続けなければなりません。これが常に変化を続ける市場の中でイノベーションを創出するのに必要な考え方です。別の言葉で言えば、これまでの一つの形に執着した経営戦略を刷新し、常に変化を先読みした組織改革と事業展開を行う必要があるのです。これが、ビジネスにおける「ガッザの操縦」です。
イノベーションとは「何」なのか〜ガッザが操縦すること?
イノベーションが「社会」に及ぼす影響を考えれば、イノベーションが「なぜ」必要なのかが分かります。これは、間違いなく重要なことです。しかし、イノベーションとは「何」なのかを知るには、イノベーションが「組織」に及ぼす影響を理解する必要があります。私たちKAOSPILOTは、様々なセミナーで掲げられている「イノベーション」の定義を集め、比べてみました。
新しいことを始めること。真新しいものを導入すること。
新しいサービス・アイディア・政策などの早期対応・導入をすることで、組織・サービス・アイディアをより良くすること。
戦略的イノベーションとは急激に変化し続ける環境の中で計画を立てるための手段。慎重な計画立てと経験学習の間に位置し、考察と行動の両方が噛み合うことが必須である。そのイノベーションが生まれることでもたらされる「価値」に重点を置き、俯瞰的な視点で既存概念に囚われない水平思考が必要になる。
競争において優位な地位に立つために、掟破りなものを生み出す創造力やイノベーション属する会社や業界の根本的な概念を見直すこと。特に、新しいビジネスモデルの創出や既存の概念を壊すことで新しいビジネスチャンスを探すことを指す。
上記からわかるように、イノベーションの定義について固定された共通認識はなく、イノベーションとは「何」なのか、何が必要なのか、については様々な異なる考えがあります。それに伴って、イノベーションを表現する比喩にも様々な種類が存在しています。「スタイル」(ファッション)、「建築物」(デザイン)、「企業のDNA」(生物学)、「戦略のフロンティア」や「ブルーオーシャン」(地理学)、「行動エンジン」(機械学)、「新しいゲーム」(スポーツ)、「新しい武器の選択」(軍隊)、「革命的な戦略」(政治)、「ブレイクスルー戦略」(物理)などがその例です。
このように、イノベーションに関してたくさんの考えがある中で、経営者が注目するべきなのは、「どの定義を元に考えれば自分の会社がより良くなるか」です。
ガッザの操縦の必要性
これまで戦略的イノベーションの定義やその重要性についてお話してきましたが、今回一番お伝えしたいことは、時には戦略的イノベーションという自動運転をやめ、「ガッザ」を操縦室に置くことが重要なのです。これを読んでいる皆さんは、混乱や驚きが生まれるだけじゃないのかと考えるかもしれません。しかし、イノベーションとは、既存のものとは戦略的計画とは全く違った企業運営の元で生まれるものなのです。新しいアイディアを出す創造力や既存の競争ルールの価値を見つめ直したり、顧客の要望に応えられるように外部環境とも積極的に交流することが必要です。
私たちKAOSPILOTが長年にわたる企業の失敗についての研究でわかったことは、イノベーションに積極的に取り組もうとしない組織は、いつか破綻してしまうということです。しかし、現在の企業運営やビジネスモデルの活用がうまく行っていない企業は、当然すぐに破綻してしまいます。そのため、常にガッザを操縦室に置いておけばいい訳では無いのです。
新しいビジネスモデルを実装する場合、そのビジネスモデルは必ず成功するものでなければなりません。そのためには、市場分析や予算管理などの戦略的計画に使える手段が必要になってきます。成功するマネジメントとは、分析・計画とイノベーション・創造力がバランスよく組み合わさったものなのです。
今回は、イノベーション創出に必要な企業戦略を紹介しました。
次回は、経営者が自分の企業の未来を自ら切り開く術をご紹介します。
Thank you.
Christer