こんにちは、コミュニケーションマネージャーの高尾です。
今回は、2021年6月18日に開催された「第4回アドテク勉強会」について、イベントレポートします!
テーマは「運用最適化・広告の集計方法自動化の最適解とは」。
マーケターたるもの、一度作るだけでは終わりません。改善を回していくこと、大事なことにリソースを集中することが非常に重要になります。
今回のテーマは「広告改善の3要素」についてです。デジタルマーケティングの手法に則り、グロースを理解していきましょう!
【おさらい】アドテク勉強会とは何か
今回開催したアドテク勉強会は、Webマーケ支援や位置情報DSPを展開する弊社有志のメンバーで企画したものです。
実は私達はBlisという位置情報DSPのサービスを日本で展開していこうとしているのですが、まずは私達がアドテクに詳しくなっていきたい!もっとアドテクの認知度を広めていきたい!という想いがあり、今回開催の運びになりました。
そんな #IJ_adtech ことアドテク勉強会ですが、ゆるく学び合うコミュニティとして以下のように呼びかけたところ、16名もの方々にご参加の要望をいただきました!
https://twitter.com/arisa_takao/status/1386454473481101314
開催会場
今回も、九州から東京まで幅広くご参加いただいたので、オンライン・オフラインでの同時開催となりました。
オフラインでは、弊社、株式会社イノベーター・ジャパンの東京オフィスにお越しいただきました。
第4回のテーマは「運用最適化・効率化の最適解とは」
今日は「運用最適化の仕組みや効率化の方法を知り、自分の会社や仕事での運用や改善に役立てること!」をゴールとし、それぞれの概念について、定義や関係性を学びました。
- そもそも広告ってどんなものがある?
- 広告の改善方法って何?
- ターゲット
- クリエイティブ
- 入札
- 成果最大化のために何が出来る?
- 運用最適化とは
- 広告効果測定ツールとは
- RPAとは
- BIツールとは
上記に沿って、幅広く話を展開していきました。
本記事では「マーケターの作業効率化に必要なのは?」と題しています。早速見ていきましょう。
マーケターの作業効率化のために必要なものとは
先の記事にもあった通り、広告を改善するためには
- ターゲット
- クリエイティブ
- 入札単価
を調整する必要があることが分かりました。
また、このように広告を改善し、売上に寄与するためには、上記だけではなく、
- ユーザの理解
- ユーザ理解に基づく仮説立案
- 広告出稿から改善のPDCA(上記に該当)
- 計測からの改善提案
といった要素が必須となります。
つまり、マーケターがやるべきことは膨大であり、上記を実現するためには「仮説を作ったり、改善提案をするなど、(手を動かすだけではなく)考える時間」が必要である、ということはもはや自明と言えるでしょう。
そうなってくると、「考えなくていいこと」「余計に手を動かさなくていいこと」については極力自動化したい、と思うのではないでしょうか。
しかし、そんな欲求(?)に反して、マーケターの作業は「手を動かす地味な作業」にあふれています。リード情報の転記、Excelでの管理、レポーティング用の資料の作成など・・・
では、何が自動化出来るのでしょうか?
そこで今回は、「運用最適化(入札)」と「効率化(効果測定・RPA・BI)」について、考えていきたいと思います。
運用最適化は「入札」の最適化
運用最適化とは
運用最適化とはなんでしょうか。定義としては、「最適なターゲットに最適なクリエイティブを最適な入札金額で配信すること」です。
また、運用最適化により、
- 1人1人に最適な広告を、自動でベストなタイミングに配信できる(One to Oneの実現)
- 機械(システム)が自動で広告効果に合わせて改善を加える(自動入札調整)
- 現在の配信状況から、各キャンペーンの予算を適切に分配できる
などのことが期待できます。
運用を最適化出来るケース、出来ないケース
運用最適化を適用できるのは、どのようなケースでしょうか。
- 良いものを伸ばし、悪いものを止めるというシステマチックな運用が生きるとき
- 過去のデータがあるとき
上記のような場合には、過去のケースを基に、一定の学習を経ることで、より良い運用に変えていくことが出来ます。
では逆に、運用最適化が出来ないどんなケースでしょうか。
- 経験値のない新しいクリエイティブやキャンペーン
- データだけでは見えないユーザーの感情の変化
などが挙げられます。特に、定量的なデータから見えないユーザーの感情の変化については、ユーザ行動観察調査を行ったり、ヒートマップ分析をするなど、運用の範疇ではないものを有効活用しましょう。
広告効果測定ツールは「可視化」の最適化
集計自動化とは
集計自動化とはなんでしょうか。定義としては、「ダッシュボードツールで、多種多様なデータをまとめてひと目で把握しやすいように可視化すること」です。
また、集計自動化により、
- リアルタイムで数値を把握できる
- データの可視化で状況を理解しやすい
- レポート出力の工数が少なくなる
などのメリットがあります。
マーケ領域における集計自動化を行うツール
集計自動化を行うツールにはどのようなものがあるでしょうか。例えば、以下のようなサービスが挙げられます。
- Webantenna(株式会社ビービット)
- 媒体ごと、広告枠ごと、クリエイティブごとなどのアトリビューション分析ができる。顧客のLTVや、どの純広告が認知度向上に貢献しているのかなどを間接効果を含めて成果を知りたい、広告投資の判断をしたい、などの場合に効果的
- AD EBiS(株式会社ロックオン)
- 導入実績7,000社以上で、シェアNo.1。TVエビスやSEOエビス、コンテンツエビスなどのメニューがあり、Web広告を測定しつつ、アプリやTVからの効果なども併せて計測できるため、さまざまな流入チャネルを持っている場合に有効
- CAMP(株式会社RightSegment)
- 株式会社サイバーエージェント100%子会社の株式会社RightSegmentが提供。PC・モバイル・スマートフォンとマルチデバイスで広告効果を見られ、リワード広告各社との成果通知連携が出来るため、広告代理店に委託している場合に利用価値が高い
「広告効果測定ツール」と「アクセス解析ツール」の違い
上記を見ていくと、Googleアナリティクスなど、アクセス解析ツールと似た役割なのではないかと思う人もいるかと思います。
しかし、アクセス解析はサイト内に閉じた可視化がメインであることから広告の各チャネルでの成果計測には適していないのに対し、広告効果測定ツールは集客チャネルごとに整理し、成果(CPA/CPCなど)を計測できるというメリットがあります。
「広告効果測定ツール」のメリット
広告効果を測定できるツールを導入することで、
- 一括で広告を管理することができる=効率的
- 重複しているコンバージョンを取り除けたり、間接コンバージョンを計測できる=より正しいデータを取ることが出来る
- アクセス解析ツールよりも詳しく効果測定出来る=ネクストアクションに結びつきやすい
- 複数の流入経路があっても成果を一本化し、計上方法や指標を揃えて計測できる=広告のコスト管理が楽になる
といったメリットがあります。ただし、
- 有料であることが多い
- GAと齟齬が発生するときに、どう辻褄を合わせるかが難しい
- CV計測タグを埋め込む手間がかかる
- ソーシャル広告の効果測定を正しくするためにはコツが必要
といったデメリットもあるなどのことから、マーケ予算と相談しながら、貴社にぴったりなものを決めることが必要です。
RPAは「ロボットが業務を自動化すること」
RPAとは
RPAとはなんでしょうか。「Robotic Process Automation」の略で、定義としては、ロボットによる業務プロセスの自動化を意味します。具体的には、定型的なデスクワークをソフトウェアに代行させることを言います。
RPAツールを使うことで、あらかじめ設定した手順どおりの作業を実行させ、自動化することが可能です。例えば
- データ収集
- グラフ作成
- レポート作成
RPAで出来ることとメリット
など。マーケティングの領域でいえば、
- Webサイトの自動スクレイピングによるECサイトでの価格調査・価格情報の抜き出し(競合調査)
- POSデータの自動ダウンロード・集計
- SNSへの投稿自動化
- アンケート結果の統合およびデータベース化
- 口コミの収集自動化
- Web広告やWebサイトのレポート自動作成
- CRMシステムへの情報連携を自動化
などに活用することが出来ます。これらを利用することのメリットは、
- 業務を自動化できることができる
- ノンコア業務に掛かる時間の削減が可能
- マーケティング施策のスピードがアップする
- 人件費を効率よく削減できる
などが挙げられるでしょう。RPAはあらかじめ設定した手順どおりの作業を実行させることから、基本的に単純な作業に向いています。
BIは「大量のデータを分析し意思決定に役立てること」
BIとは
BIとはなんでしょうか。BIツールとは「ビジネスインテリジェンスツール」の略で、企業に蓄積された大量のデータを集めて分析し、迅速な意思決定を助けるのためのツールのことです。
1958年にBIという言葉は初めて登場し、企業の経営に影響を及ぼしました。その後はITツールとしてBIツールが発展し、今日のビジネスでは重要な存在になっています。
BIツールで出来ること
BIツールの機能を使うと以下のようなことができるようになります。
- レポーティングをダッシュボード化することでデータを可視化し、俯瞰してビジネスを見る、という一連の流れを可視化する
- OLAP分析(オンライン分析処理)から複数のデータの関係性を複数の角度から見ることで、仮説検証を行う
- データマイニング(大量のデータを統計学や人工知能などの分析手法を駆使して、「知識」を見出すための技術)によりデータの中から法則性を導き出すことで、仮説を設定せず、データそのものの間での法則・関連性を発見したり、データから新たな発見をする
- シミュレーションに基づくプランニング機能を利用し、データによる予測を行うことで、意思決定のためのレコメンドを可能にする
ニーズに応じたさまざまなタイプのBIツールがありますが、そのどれもが、「データ収集・蓄積」「データ集計・分析」「データ可視化(ビジュアル化)」の3つの基本機能を持っている点では共通しています。
BIツールでさらに広がる可能性
BIツールを導入するだけではなく、例えば後工程のセールス系のシステムや、CRMやSFAなどと連携することで、これまでだとExcelなどで手動で行っていた集計・分析作業を自動化するとともに、さらに高度な分析結果のアウトプットも可能になります。
例えば、顧客に関する多様なデータや営業活動のデータを分析・可視化して有用な情報を取得することで、顧客満足度の向上や営業支援により深く役立てることが可能となります。
CRMの顧客データと紐付けることで、マーケティング施策に繋げたり、MAとの連携でマーケティング活動の自動化・効率化を実現したり、MAによるマーケティング施策の効果検証をBIツールで行ったりすることが可能です。
また、BIツールを導入することで自動化できれば、従来なら高度な知識を持った専門家のスキルが必要であった分析作業を、それほどの知識を持たない社員が行うこともできるようになる、という副産物的なメリットもあります。特に大手企業などでローテーションが発生する場合には、特に有効です。
RPAとBIの違いは「自動化」か「分析」か
ここまで見ていくと、RPAとBIは似たようなものなのではないか、と思われたかもしれません。両者の違いは、ビジネスにおける意思決定の支援を目的とするか否か、です。
RPAはあくまでも定型業務を自動化することそのものを目的としており、その結果が意思決定に結びつくかどうかが問題ではありません。BIツールは成果に寄与する分析を行うことが目的であるため、目的の段階で異なると言えるでしょう。
そのため、業務を自動化するにはRPAツールを導入するのがもっとも効果的ですが、自動化したい業務がデータの収集や分析に関することであれば、BIツールを利用したほうが良いと考えられます。
ツール活用によって「創造的な時間」を増やそう
ここまでの3本は、広告とはなにか、という概念的な説明から、マーケターの使命とも言える「時間の有効活用」について、説明してきました。
今後のますますの自動化に期待しつつ、「それでもマーケター自身がやらなくてはいけないこととは何だろう?」という問いをいつも忘れず、価値あることに時間を使っていきましょう。
※参考文献:
https://markezine.jp/article/detail/26094
https://www.realgate.co.jp/md/2962/
https://www.hitachi-solutions.co.jp/digitalmarketing/sp/column/bi_vol02/
https://fce-pat.co.jp/magazine/1155/
次回予告
次回は以下のテーマ・日程で実施します。
テーマ:マーケティングトレースをやってみよう!
日程:7/29(金)19時〜21時
場所:オンライン&オフライン
参加表明はこちらからDM、もしくは弊社問い合わせフォームよりお願いします。
https://twitter.com/arisa_takao
https://www.innovator.jp.net/contact/
メンバーを募集しています!
上記のように、マーケティングやアドテクなどの領域について、
特に一人で学びきれない体系だった部分や最新情報についてまで、
ともに学び、キャッチアップしていきたいメンバーを募集しています。
参加だけでも、運営に関わってくださってもOK!
興味のある方は是非ご連絡ください。
https://twitter.com/arisa_takao
https://www.innovator.jp.net/contact/
それでは、続編もお楽しみに!