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Googleの「検索品質評価ガイドライン」で押さえておくべきポイントとは?

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ヒキ

こんにちは、コンテンツディレクターのヒキです。

皆さんはGoogleの「検索品質評価ガイドライン」ってご存知でしょうか? Googleが検索結果を改善していくために外部の評価者に向けて作成したマニュアルのことです。Googleは定期的にこのガイドラインを更新していますが、3月5日に最新版を公開しました。

ガイドラインの内容が直接的に検索順位に影響を及ぼすわけではありませんが、どういったものがよいウェブコンテンツであるのか、Googleが評価するポイントがわかるため、SEO対策を考える際の参考になります。ただ、残念ながらこのガイドラインは英語版のみで、全部で170ページにのぼります。すべてを読み込むのはすごく大変です。そこで、検索品質評価ガイドラインの中から、コンテンツ制作者が押さえておくべきポイントを(私の独断と偏見を交えて)ご紹介します!

まずはウェブページの「目的」を理解しておく

ウェブサイト上で何らかのコンテンツを作る際、その大元になるのがページの「目的」です。そのページは何のためにあるのか、狙いは何か、その点をしっかりと整理しておくことが大事です。もっというと、そのページはユーザーにとってどのくらい有益なものであるのかが大切になってきます。

検索品質評価ガイドラインでは、Googleが有益だとみなすウェブページとして、具体的に下記のような目的を例に挙げています。

  • トピックに関する情報を共有する
  • トピックに関する個人的な経験、見解、感情を共有する
  • 写真、ビデオ、その他のメディアを共有する
  • 個人的な才能や技術を披露する
  • 意見や見解を述べる
  • 楽しませる
  • 商品やサービスを提供する
  • ユーザーが質問を投稿し、他のユーザーが回答できるようにする
  • ユーザーがファイルを共有したり、ソフトウェアをダウンロードできるようにする

ここから想定されることとして、「Googleはウェブページが持つ目的も判断する」ということです。ですので、コンテンツを作る際は最初に「自分が作っているページの目的は何か」という点を整理しておくとよいかもしれませんね。

「Your Money or Your Life(YMYL)」のトピックとは?

ウェブページにはさまざまな目的があり、そのために多種多様なコンテンツが作られます。その中でも、人々の健康、経済的安定、安全、社会の福祉や幸福に重大な影響を与える可能性があるトピックのことをGoogleは「Your Money or Your Life(あなたのお金、あなたの生活)」または「YMYL」と呼んでいます。

検索品質評価ガイドラインは、YMYLトピックのページに対して非常に厳しい品質評価基準を設けています。というのも、YMYLトピックにおいて質の低いページというのは、健康や経済、安全、あるいは福祉や社会的な幸福といった私たちにとって重要な領域において、悪影響を与える可能性があるからです。

そのため、YMYLトピックについてのコンテンツを扱う際は注意が必要になります。

もし自分の作っているコンテンツがYMYLトピックかどうかわからないという場合、そのコンテンツによって発生するかもしれない「危害」や「損害」を考えてみるとよいかもしれません。例えば以下のようなものが想定されます。

  • 健康または安全のYMYL:精神的、身体的、感情的な健康、または身体的安全やオンライン上の安全など、あらゆる形の安全を害する可能性のあるトピック。
  • 経済的安全のYMYL:自分や家族を養う能力を損なう可能性のあるトピック。
  • 社会のYMYL:人々の集団、公益の問題、公的機関への信頼などに悪影響を及ぼす可能性のあるトピック。
  • その他のYMYL:人々を傷つけたり、社会の福祉や幸福に悪影響を与える可能性のあるトピック。

上記をもとに自身が制作しているコンテンツがYMYLトピックであると想定されれば、内容の正確性や信頼性などに注意深くあることが求められそうです。

ウェブページのコンテンツの分類

ところで、そもそもウェブページには記事などの情報コンテンツ以外にさまざまな要素が含まれています。そこでウェブページのコンテンツの種類についても簡単に押さえておきましょう。

ページのコンテンツは、大きく次の3パターンに分類されます。

  • メインコンテンツ(MC)
  • 補足コンテンツ(SC)
  • 広告/マネタイズ(Ads)

メインコンテンツ(MC)

ページの目的を達成するために直接役立つページのあらゆる部分。例えば、テキスト・画像・動画のほかに、ページの機能(電卓・ゲームなど)であったり、あるいはユーザーが作成したコンテンツであることもあります。ページトップのタイトルも当然MCです。MCはページの「存在理由」ともいえます。

補足コンテンツ(SC)

良質なユーザー体験に貢献するものの、ページの目的達成に直接的には役立たないコンテンツです。例えばナビゲーションリンクなどが補足コンテンツです。メインコンテンツや広告以外の要素といってもよいでしょう。

広告/マネタイズ(Ads)

ページの収益化を目的として表示されるコンテンツまたはリンクのことです。ウェブページ内の広告の有無は、それ自体で評価の良し悪しを決めるものではありません。なぜなら、ウェブサイトを維持し質の高いコンテンツを作成するにはお金がかかるためです。

この3つの中で最も大切なのは、もちろん「メインコンテンツ」です。ですので、まずはいかに良質なメインコンテンツを作るかが肝になってきます。では、良質なメインコンテンツにおけるポイントはどのようなものでしょうか? 詳しくは次の章で説明しますね。

MCの品質評価におけるポイントは?

検索品質評価ガイドラインによると、メインコンテンツ(MC)の質が品質評価において最も重要な検討事項になります。

MCの品質評価においてポイントになるのは「どのくらいページの目的を達成し、満足のいくユーザー体験を提供できているか」という点です。具体的には、コンテンツ作成に費やされた「努力」「独創性」「才能・技術」によって質を判断できるとしています。 情報ページやYMYLトピックのページでは、上記に加えて「正確性」も大事です。

以下で各項目について少し詳しく見ていきましょう。

◯努力

良質なコンテンツを判断する上で、そのコンテンツを作るためにどのくらい人の手が入っているかが肝になります。ここでいうところの「努力」とは、Googleによると「誰かが詩をある言語から別の言語に翻訳するような作業かもしれない」としています。それに対して、既存のコンテンツを翻訳ソフトなどを使って自動的にページを作成することは「努力」ではないと述べています。

◯独創性

ほかのウェブサイトにはないようなユニークで独創的な内容をどのくらい提供しているかが大事になります。仮にほかのウェブサイトにも似たようなコンテンツがある場合、どちらがオリジナルのコンテンツかが問われます。

◯才能・技術

ユーザーが満足できるコンテンツを提供するためには、十分な才能や技術も大切です。そのウェブページがそうした条件に合致しているかが問われます。

◯正確性

情報を発信するコンテンツの場合、その内容がどのくらい正しいかが問われます。特にYMYLトピックについては、内容の正確性に加えて専門家のコンセンサスと一致しているかも重要です。

Googleは上記を踏まえて、検索品質の評価者に対して、「あなたが評価しているページについて、努力、独創性、才能・技術がどのようなものかを考えてみて」と助言しています。さらに「何がページの目的を達成するのに役立ち、何がユーザーにとって満足のいくMCになるのかをよく考えること」とも指摘しています。

上記の項目のうち、個人的には「努力」というのがとても印象的です。ガイドラインでは「effort」と表記されていますが、品質を評価する際に人の手による努力を重んじるという点は、コンテンツに携わる人は肝に銘じておいた方がよいでしょう。

付加価値がないページやウェブサイトは「最低品質」

上述の「努力」と関連してガイドラインではこうもいっています。「編集や手作業によるキュレーションがなく、オリジナルのコンテンツやユーザーへの付加価値がないページやウェブサイトは、『最低品質』と評価されるべき」。つまり、生成AIなどを使った自動生成のコンテンツは評価が低くなると解釈してよいかもしれません。これは「コピーコンテンツ」についても同じだと思っておいたほうがよいでしょう

ガイドラインによると、編集や手作業によるキュレーションをほとんど行わず、コピー、埋め込み、再投稿されたコンテンツのみで作成されたページは、「努力とオリジナリティに欠ける」とはっきり述べています(ここでも「努力」が使われていますね)。

「E-E-A-T」についても押さえておこう

Googleの検索品質評価ガイドラインにおいて、「E-E-A-T」という概念も重要です。これは「経験(Experience)」「専門性(Expertise)」「権威性(Authoritativeness)」「信頼性(Trust)」を指しています。

信頼性

「E-E-A-T」の中で最も重要なのが、この「信頼性」という項目です。ウェブページがどのくらい正確で、正直で、安全で、信頼できるかが考慮されます。ページの内容によって求められる「信頼の種類や量」も異なってきます。以下に例を挙げます。

  • オンラインショップ:安全な決済システムと信頼できるカスタマーサービスが必要。
  • 商品レビュー:正直さが重要であり、ユーザーが十分な情報を得た上で購入の決断をできることが大切。
  • YMYLトピックに関する情報ページ:人々や社会への危害を防ぐために正確であることが大事。

※「YMYL以外のトピックについてSNSの投稿」に対しては、投稿の目的が視聴者を楽しませる場合や、投稿の内容が危害をもたらす危険性がない場合などは、高度な信頼性は求められないとしている。

経験

コンテンツを制作する人が、そのトピックに必要な実体験や人生経験をどの程度持っているかが問われます。例えば、個人的にその製品を使用したことのある人の製品レビューと、そうでない人のレビューにおいては、経験の有無によってどちらが高い信頼性があるかいうまでもないでしょう。

専門性

コンテンツを制作する人が、そのトピックに必要な知識や技術をどの程度持っているかが問われます。例えば、熟練した電気技術者のアドバイスと、電気配線の知識がないアンティーク住宅愛好家のアドバイスでは、専門性の有無の点で、どちらが信頼できるか明らかでしょう。

権威性

コンテンツを制作する人やウェブサイトが、どの程度そのトピックの情報源として知られているかが問われます。例えばパスポートを取得するための政府の公式ページは、パスポート更新について権威があり、信頼性の高い情報源といえるでしょう。

 

上記のうち「信頼性」の評価を支える概念として「経験」「専門性」「権威性」があると考えるとよいでしょう。

「信頼性」の評価を支える概念

この「E-E-A-T」について、ガイドラインでは「ウェブサイトやコンテンツを制作する人にとって、明らかに利害の対立がある場合、信頼できる情報源とはならない可能性がある」と指摘しています。例えばある製品を持っている人々の製品レビューは、非常に価値があり信頼できますが、製品メーカーによる賞賛の「レビュー」や、インフルエンサーによる「レビュー」は、あまり信頼できないというわけです。

ウェブページでコンテンツを制作する際、この「E-E-A-T」のうち「E-E-A」を意識するとよいでしょう。作る記事や取材相手、書き手などが「E-E-A」の要素を含んでいるかが非常に大切になります(例えばアルツハイマー型認知症の記事を作る際に、取材相手がその分野で著名な医科大学の教授であるのか、内科の研修医であるのかで、専門性も権威性も大きく変わりますよね)。この点をカバーできれば最終的に「信頼性(T)」に結びつきます。

もっというと、コンテンツの企画を考える段階から、「この企画や取材先、聞き手、監修者は『E-E-A』の要素を満たしているか」と、しっかり検討してみるのがオススメです。そしてコンテンツを作った後にも、「E-E-A」が担保されているか検証します。つまりコンテンツを作る前と後で「E-E-A」についてチェックしておくわけです。その結果、Googleに評価される信頼性の高いコンテンツができるはずです。

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ここまで見てきたように、ウェブサイトのページコンテンツを作る上で、人による「努力」や、コンテンツに対する「信頼性」というものが品質を評価する際にとても重要視されます。 

昨今ではAIを含めさまざまなツールが登場し簡単にコンテンツを作ることができます。ですが、だからこそ、手を抜かず地道に人間が丁寧にコンテンツづくりをすることがより一層大切になりそうです。そしてそれは、結果的に他のコンテンツとの差別化をはかる上で、とても大切なポイントになるのではないでしょうか。


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