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「Whyではじめること」の大切さ

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話が響かないとき、物事が進まないとき、どうしていますか?

whyではじめることの大切さ

日常のやり取りや、仕事などでこんな事がおきることはありませんか?

  • 何回言っても必要な作業を期限までに対応してもらえない…
  • 提案した内容が響かない、共感されない…
  • 打ち合わせを何度も行っているのに話が進まない、主体的な動きがない…

行うべき正当な理由があるのに、ちゃんと説明しているのに、後で困る事は分かっているのになぜ??ってなりますよね。「ちゃんと対応してください!」とか「次は頑張ろう」「◯◯さん、期日までに対応しといてください!」なんて言っていたりしませんか?

思いどおりに進まない時、アプローチ方法(コミュニケーションの方法・提案方法・進め方など)が合っていないケースが多いのですが、大抵、相手を責めて終わらせてしまったり、今回はうまく行かなかっただけと見直されないケースをよく見かけます。

合っていないアプローチや、失敗した方法を何度行っても結果は同じです。視点を切り替えて、異なる方向から、合うアプローチを見つけるまで試す必要があります。

「それ自分が行うの?」「そこまでしないとダメなの?」と思うかもしれませんが、本気で実現したいことがあるなら、「はい」です。一番避けるべきことは、高圧的に対応すること、一つの考えに固執すること、諦めてコミュニケーションを止めてしまうことです。

とはいえ、何がいけなくて進まないのか、何をすればよいのかわからないですよね。そこで、人に行動を促す伝え方、語り方の理論を提唱した、マーケティングコンサルタントであるサイモン・シネック氏の「ゴールデンサークル理論」を、解決方法の一つとしてご紹介したいと思います。

ゴールデンサークル理論とは

ゴールデンサークル理論とは、「なぜ(Why)→どのように(How)→何を(What)」の順で話すことで、人の心に共感をもたらし、人に行動を促すという理論です。サイモン・シネック氏が「TED Talks」で「優れたリーダーはどうやって行動を促すのか」という2009年の講演の中で提唱した理論です。

▼講義はこちらから(日本語字幕版)
https://www.youtube.com/watch?v=K1jRI1RdkHE

この理論には、生物学的な根拠もあり、人間の脳の構造に関係があると述べられています。

人間の脳は、感情と行動を司る「大脳辺縁系」と、論理的・分析的思考を司る「大脳新皮質」の2層構造になっています。情報は「大脳辺縁系」に運ばれ、その後「大脳新皮質」に通達が届きます。人の行動を決定するのが「大脳辺縁系」になるため、最初に理論ではなく共感を「大脳辺縁系」に訴えることで、行動につなげる事ができるのです。

例えば、あるサービスや製品の価値を顧客に伝えたい時、よくある説明の仕方は以下のような順が多いかと思いますが、

  • 何を(What):この製品にはこのような機能がある
  • どのように(How):この製品を◯◯に使用するとこんなメリットがある
  • なぜ(Why):あなたの業務(生活)がとても楽に(よく)なる

これを根強いファンの多いAppleの製品の紹介を例にするとこうなります。

  • なぜ(Why):我々のすることは世界を変えると信じている。そして違う考えに価値があると信じている
  • どのように(How):すべての製品を美しくシンプルに使いやすい製品にする
  • 何を(What):素晴らしいスペックの製品が誕生した

後者の方が、製品へのこだわりや強い信念を感じることができると思います。伝える順番を変えることが、結果として顧客の感情を揺さぶり、購買意欲を高めることにつながるのです。このAppleの例でわかるように、Whyから始めるということは、伝える側に強い意志や想いが必要となります。

もし、何かを伝えたいと思った時、目先の方法論や手法を考える前に、なぜ伝えたいのかという事を、自分に問いかけてから伝えてみてください。

周りをまきこむには

人の心や行動を動かそうとする時、伝え方も大切ですが、まずは自分が動いてみる、努力してみるということも重要となります。

どんなに素晴らしく感動的な言葉であっても、行動がともなっていなければ人の心は離れていきます。また、実際に行動することで、自分の考えを振り返ることもでき、より精度を磨くことができます。人が応援したくなる行動や努力も、共感や感情を揺さぶることになり、実は、人に行動を促すきっかけとなるのです。

※本記事は、当社で毎週金曜日に実施している社内LT「Knowledge Salad.」より抜粋して掲載しています