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コンフォートゾーンを出ると得られるもの、成長する部分

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ぺろ

コンフォートゾーンの中はあったかい

どうもこんにちはperoです。名刺の肩書は「メディアディレクター」です。

このエントリーはイノベーター・ジャパン Advent Calendar 2019 - Adventarの19日目の記事です。12月19日当日に書いてます。アブねぇ。忘れるところだった。

アドベントカレンダーやるにあたって、「今年自分の中で起きた変化について」というテーマがあるんですが、自分の中で大きく変わったコトと言えば今年、1つしかありません。2019年7月以降、大きく業務内容が変化し、これまでの経験・スキルセットのみでは戦えないプロジェクトにコミットさせてもらっていることです。

いわゆる「コンフォートゾーン」を出た、ということになるのでしょう。

何が「コンフォートゾーン」だったか

自分にとって何が「コンフォートゾーン=居心地のいい業務」で、それがどう変わったかを簡単に書くと下記の通りです。

  1. 特定のニュース系ウェブメディアに対する、運営・開発・マーケ等全体のディレクション
  2. ニュース記事に対する編集業務(指示、校閲・校正、記事タイトル作成等)

2019年6月まで自分がやっていた業務は、お客様が持つウェブメディアの運営業務が主体で、その工数の多く、およそ30~40%ほどを上記2の編集業務に割いていました。

このメディアで取り扱うテーマは新エネルギーやモビリティ、廃棄物などの「環境対策」を行うビジネスマンをターゲットとした、行政・経済そして理系の知識が必要になる、専門性の高いB2Bメディアです。

このサイトのニュース記事を1日6~9本、年間で1,400~1,800本ほどのニュース記事を日々チェックし、タイトルを付けていく作業はとても骨の折れるものでした。

しかし誤報を発信してしまっては多くの読者のビジネス上の重要な判断を違えてしまうことになりかねません。あのWELQ問題で多くのデジタルメディアが認識を新たにしたように、メディアが重要視しなければならない、計測しづらい指標のひとつに「信頼度」があります。

ここを確保するために発信する情報の質を担保する仕事は、大きな責任とともに(※個人的には好きな業界であるため)やりがいもあり、専門性もプレッシャーもそこそこ高い方でしたが、かれこれ約8年も担当させていただいたため、もう読者ペルソナも読者の業界スキームも政治動向も、ターゲットに響く記事の切り口もメディアに必要な機能も測るべき指標も良く分かる、コンフォータブルな仕事になっていました。

しかし内容が内容、量が量だけに、避けえぬ工数の多さと継承すべき(継承できる)人員の確保の困難さがあったため、通常の組織マネジメント・人員計画ではありえないであろう8年もの長さで同じ業務を続けてしまったのです。決して「飽きた」わけではないのですが。

メディアもヒトも、学び変化し、適応せねば生き残れない

ご存知の方も多いと思いますが、昨今デジタル・レガシー問わず「広告モデル」だけを収益源としたメディアは苦境に立っています。

広告モデルだけでは苦しい

理由は複合的で一概にコレと言えるものはないかもしれませんが、IT革命からモバイルの普及を経て、情報発信のチャネル・媒体が過去とは比較にならないほど増え、可処分時間/労働時間問わず、読み物メディアが読者に割いてもらえる時間は減りました。

それに伴って読者リテラシも上がり、広告に対する意識も変化し続け、アドテクの進化によって、広告商品の市場価格が大幅に下がったこともあるでしょう。

様々なレポートを見る限り、世界的に見れば「広告・プロモーション費」は拡大していますが、読み物系メディアよりも他のプラットフォームでの拡大が牽引しているように見えます。

ネイティブ広告なら、という声もありますが、記事体広告が適さない商材・ブランディングもあるうえ、十分な費用対効果を得られるかどうかは広告主にとってギャンブル的な側面があることを否めません。先に述べたメディアにとっての「信頼度」を維持するため、ハンドリングが難しく人的リソースをそこそこ割いてしまう、販売上限数が低めの商品でもあります。

ペイウォール化は導入したが

もっと昔から進めているデジタルメディアもありますが、2010年頃から日経新聞電子版や米New York Timesなどでペイウォール化が進み始めました。フローな情報を取り扱うデジタルメディアでも、「広告モデル」ではなく「コンテンツ販売」が成立する下地ができてきたのです。

いち早くこのプラットフォームに対応し、うまく収益を上げてきたメディアもあるでしょう。自分が担当したメディアでも、2012年にはペイウォールを導入し販売するコンテンツ種別を増やし、なんとかブランドの維持・革新に貢献できたかと思います。

しかし今やそれですら、今後の成長に必要な収益を上げられているか、継続的成長ができているかと言われれば、そうでもない状況です。専門性の高い業界メディアであるため、業界内のプレイヤー数に左右される側面もあるかもしれません。

新規事業開発で収益源を増やす

そこで、これまで担当していたウェブメディアにおいて、ニュース記事の編集業務を担ってくれる心強いメンバーが増え、編集業務を引き継げたことを切っ掛けに、下記のような業務を担えるよう、社内提案を進め許可をいただきました。

  1. 特定のメディア事業における、新しい収益源・新しいビジネスモデルについてのマーケットリサーチ、企画・提案
  2. 上記1の実行

メディアビジネスを多くお手伝いしている当社にとって、お客様に対して提供できる知見を蓄積することはとても重要です。今年度このような機会をいただけたことはとてもありがたく、自分自身の成長とともに新規事業を軌道に乗せ、なんとかお客様にベネフィットを還元せねばと思っています。

コンフォートゾーンを出たらこうなる

これまでにお客様のビジネス自体に深く関わるコンサルティングもご提供してきたため、完全に右も左も分からず何をやればいいか分からない「パニックゾーン」というほどではないものの、これまでに蓄積してきたものとは全く別の知識や経験が必要とされていることは分かります。自分が「ラーニングゾーン」とやらに居ることが分かります。

業務の内容を詳しく書くと色々マズいし長くなるので省きますが、「コンフォートゾーンを出た」という切り口で自分が感じているものは下記の通りです。

コンフォートゾーンを出て得られるもの

  • 新しい知見・経験
    どれぐらい前の業務と重複する部分があるか、にも左右されるかもしれませんが、自分の場合ゴリゴリ入ってきます。決断力とかプレゼン力とか英語力とか営業スキルとか新しい市場の知識とか。
  • 新しい事やってる感
    謎の「新しいことやってる感」が出て気力が湧き出ます。未来に希望が持てます。自分の場合は提案して「自分からコンフォートゾーンを出た」のでコレが発生しているのかもしれず、「誰かにやらされてコンフォートゾーンを出た」ら、もしかしたらこのバフは発生しないかもしれません。
  • みんなが応援してくれる
    新しい分野に挑むと周りの皆さんやお客様、取り組む内容が革新的だとマーケットリサーチ先の人々からも「期待してる」的なお声をいただきます。その分怖い。重い。

コンフォートゾーンを出て受ける影響

  • 精神的に疲れる
    新しいこと、未知の領域に踏み込むと、やはり精神的にとてもとても疲れます。休むこともきっと大切だと思うのですが、知的好奇心を最大限に活性化させて、新しい業務自体を楽しめるように心がけるのが折れずに気力を維持するコツだと思います。

色々推敲しましたが、あくまで「コンフォートゾーンを出ること」だけにフォーカスすれば上記かなと思います。自分の場合はコンフォートゾーンを出た先が新規事業開発系の業務であったため、受ける影響としてプレッシャーが大きいかなとも思います(実はあまり期待されてないのかもしれませんが・・・)。

いずれにせよ、今のところマイナス面は精神的疲労ぐらいです。得られるメリットの方が明らかに大きいです。

まずコンフォートゾーンを出るのに思い切りの良さみたいなものが必要で、出させてもらえるか、どこへ出るかの選定も重要かとは思いますが、ある程度現職で経験を積まれた方は、どんどん自分の業務を引き継ぎ、業種・職種・職階の壁を越え、成長できるフィールドへ飛び込めるよう常に意識して動くことが、やはり大切なのだなぁと改めて思う次第です。

長くなってしまいましたが、もしここまで読んで頂けた方がいらっしゃったら何かの参考になれば幸いです。


さて、イノベーター・ジャパンではコンフォートゾーンなんか気にせず未知の領域をガハハそんなものググれば何とかなるわいと笑いながら開拓できる人を募集しています。

自分のように、筋の通った社内提案であれば経営側と直接話して自分の進み方を通すこともできる、フラットな組織です。トップダウンで言いたいことも言えないポイズンな体制に飽き飽きしてるという方、ぜひ一緒に新たな領域を開拓していきませんか?!(宣伝)

では、少し早いですが皆さまよいお年を。

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